長期投資に効く会社四季報の読み方講座


長期投資に効く会社四季報の読み方講座

 

長期投資を行うに当たり、企業分析は欠かせない作業です。また、有望銘柄を探したりする必要もありますよね。

 

その際に役立つのが会社四季報です。今は、証券会社でも無料で会社四季報の閲覧ができるようになっているので、しっかりと使っていきたいところです。

 

とは言ったものの、どのように使っていけば良いのかわからない人もいるでしょう。そこでここでは、長期投資家向けに会社四季報の使い方をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。

 

会社名に思いを巡らせる

 

会社四季報を開いてまず初めに目につくのが会社名ではないでしょうか?

 

会社名は軽く見るだけで、会社名自体について考えるということはあまりないと思います。

 

ですが、実は会社名にも長期投資において投資対象になりうるかどうかの判断材料が隠されているのです。ではなぜ会社名が判断材料になるのでしょうか。

 

会社名は事業内容を表した、いわば看板のようなものです。その看板がわかりづらく、何をやっている会社なのかよくわからない場合はあまり面白みがないのかもしれません。

 

複雑な会社名はつまり、競争の激しい複雑な産業である可能性があります。

 

社名で何をやっている会社なのかよくわかり、単純だが競合が少ないような会社は有望な株であると推察することが可能です。

 

単純な業務を繰り返しているが、競争のあまり激しくない会社は完ぺきな会社で、完璧に単純な事業は単純な名前を持つべきだという主張は、ピーター・リン氏の著書にも書かれています。

 

とは言ったものの、会社名だけでは一概にそうとは言えないので、そのほかのデータを比較・検討する必要がありますね。

 

会社情報から読み解く

 

会社名の下には社名と事業内容・本社住所などが記載されています。本社所在地は、どこを拠点に会社が経営されているのかわかるので見てみましょう。

 

また、店舗の分布についても書かれています。この項目では1つの場所で集中的に展開しているのか、または広い範囲で各地域ではあまり密集させないのかなどの情報を読み取ります。

 

この情報から、さらに事業を拡大していく余地があるのか、ほかの地域でもこの会社の商品、サービスは通用するのかなどの観点で思いを巡らせていくことも必要です。

 

従業員情報では、何名いるのか、また平均年齢と年収を見てみるのも面白いかと思います。この情報から、若い人が中心の会社なのか、会社の状況などについても推察することができます。

 

証券や銀行についてはあまり気にする必要はないと思います。小さなところでは、主銀行から融資は継続的に受けられそうかなどをちょっと考えてみてもいいでしょう。

 

特色と連結情報からわかること

 

会社四季報を開くと右側に会社コードと会社名が書かれていると思います。会社の下に書かれているのが決算時期と、設立年月、上場年月です。

 

会社名の左横に記載されているのが、その企業の特色と連結事業です。

 

この特色からは、その企業がどのような事業を手掛けているのか、現在どのような点に注力しているのかなど様々な情報を読み取ることができます。

 

長期投資目線で心掛けたいのは、その企業の今後の事業展開を読み取ることです。現在どこが地盤で経営しており、事業規模はどれくらいなのか。今後の成長戦略はしっかり練られているのか。

 

同業他社に対する優位性を有しているのかなど様々な点をこの特色から読み取ることが大切です。次に連結事業についてですが、この項目も長期投資家にとってチェックするべき重要なポイントです。

 

連結事業とは、その会社を構成する各事業の構成のことです。例えば○○フードという会社があった場合、本業は焼肉屋でも、そのほかにラーメン屋を経営しているということもあります。

 

全体を通しての各事業の割合が連結事業には記載されています。

 

この項目からは、この企業が経営を多角化しているのか、本業に集中しているのかなどの情報を読み取ることができます。

 

また、ある事業が好調で投資しようと思うこともあると思いますが、その好調な事業が占める割合が5%などではあまり株価上昇は見込めないかもしれません。

 

その他の事業についても見極めることを忘れないでください。

 

会社四季報のコメントを読む

 

会社四季報のコメントは2部構成になっています。

 

コメントの前半部分では今後一年間の業績見通しを解説しています。また、そのコメントをもとにした見出しが書かれています。

 

この項目からは、今までの現状を分析して今後どのように事業が進んでいくのか読み取ることができます。

 

今業界がさらされている状況や、この会社がどのような対策を打ってきたのか、その成果が表れているのかについても読み取ることができます。

 

この項目を読み込むことで、投資したい会社がどのような戦略を練る傾向があるのかなどを読み取り、長期投資に値するかどうかの指標にしましょう。また、場合によっては売る材料にもなりえます。

 

次にコメントの後半部分では中期的展望や新製品などの材料、会社の課題について書かれています。また、そのコメントをもとにした見出しが書かれています。

 

この項目では中期的にどのような目標を持って経営が進んでいるのかを読み取ることができます。また、どのような新製品を出したのか、今後解決すべき課題なども取り上げられています。

 

今後解決していかなければならない課題の解決が困難なのかどうかを見極めることが重要です。

 

株主欄から見えること

 

各企業の表の上の真ん中らへんに株主欄があるかと思います。この株主欄では、この株を持っている人全員分ではなく、大株主の氏名が書かれています。

 

大株主とは、その企業の株を多く持っている人のことで、確か細かい規定はなかったと思います。

 

決算期における株主数についても情報がありますが、この情報からはあまり長期投資として読み取ることはないかもしれません。

 

ただ、発行株式数とこの株主数から、1人当たりどれくらいの株を持っているのかは平均の数値としては分かります。

 

また、小口で持っている人が多いのかも推察できるかもしれません。ただ、株は毎日売買されており、この情報に頼ってもあまり意味はないかと思います。

 

さて次に大株主名ですが、この情報からこの会社は創業者一族で株式が持たれているのか、それとも一般の人が多く持っているのか、はたまた機関投資家が多く持っているのか読み取ることができます。

 

創業者一族が多く保有している場合は、配当金が継続的に大きな額分配されている可能性があります。

 

なぜなら、創業者一族は簡単に株を売れないので配当金で収入を得ようとするからです。

 

まあ、一般の投資家からすれば配当がもらえるのでうれしいのですが、出すべき事業にお金がいかない、配当によって会社の経営状況が圧迫されるような事態になってはいないかチェックする必要があります。

 

一般、機関投資家の場合は急に株式を売るということもありますが、特に注意すべきポイントではないと思います。

 

財務チェックで判断

 

株式欄では発行株式数と購入最小単位、時価総額が記載されています。時価総額は日々の売買による変動します。

 

時価総額の大きさから、その企業規模のだいたいの大きさを知ることができます。同業他社と比較し、規模が大きいかどうかのチェックを行いましょう。

 

規模が小さくとも、それはつまりほかの企業からシェアを奪う余地が多分に含まれていると読み取ることもできます。

 

1,000億円を超えてくると大企業の部類に入ってくると思います。時価総額の小さな企業ほど価格変動が激しく、時価総額が大きくなってくると価格変動は低くなってきます。

 

ただし、あくまで一般的にはそうであるというだけで、一概にそうだということはできません。財務欄では、その会社の財務状況を知ることができます。

 

総資産はその会社の資産額を示しています。純資産や借金等を合算した値です。

 

株主持ち分は、その名の通り株主が保有している持ち分のことで、ほかに返す必要のない資産部分です。この部分が大きければ大きいほど安定的に経営を行えることが可能になります。

 

株主持ち分比率は総資産における株主持ち分の割合で、60%を超えていればほかに返さない資産が多く、安定的に企業経営を行っていくことができると考えられます。

 

この値まではいかないまでも、10%を切るような会社への投資は避けたほうが無難です。なお、銀行や証券はこの範疇にはいらないので注意してください。

 

また、投資の基準として私の場合は少なくとも50%以上は欲しいと考えています。資本金は、私の場合はあまり重視しません。

 

利益剰余金は今までの利益の積み重ねですが、これは施設への投資をして、すでにないお金もつみあがっています。

 

なので、会社にある現金とは異なることに注意が必要です。利益剰余金もあまり重視しませんが、ある程度積みあがっていればいいと思います。

 

有利子負債は、文字通り利子のある負債のことで、この値は業種によって異なります。なので、競合他社と比較検討する必要があります。

 

私の場合は有利子負債が0、つまり無借金経営企業に好んで投資を行っていました。理由は、安定経営と配当支払い余力が大きいと考えたからです。

 

しかし、無借金経営だからいいというものではなく、ある程度の借金は経営拡大などに必要だという側面も持ち合わせています。

 

各指標を読み解く

 

次に指標についてです。 ROAは総資産における利益額をパーセンテージで表したものです。

 

この値が10%を超えている企業は投資対象として魅力があります。ROEは株主持ち分における利益額をパーセンテージで表したものです。

 

この値が10%を超えている企業は投資対象として魅力があります。この指標は、企業が使用しているお金に対していかに効率的に利益を上げているのかの効率性を見るのに適した指標です。

 

最高純益は、現在までで一番稼いだ時期の純利益を表示しています。この値と現在の値を比較することで、現状を把握することができます。

 

理想としては最高純益を更新し続けている企業に投資したいところです。あまりにも現在の値がかけ離れている場合はその理由を考えてみると何か見えてくるかもしれません。

 

設備投資、減価償却、研究開発費もこの項目には記載されています。設備投資と研究開発費を見ることで現在会社は積極的に事業を展開しているのかを判断することが可能です。

 

減価償却費のみが計上されていて、設備投資と研究開発費が全く計上されていない場合は今後の事業の縮小が予想されます。

 

通常減価償却と同じかそれ以上の設備投資と研究開発費をかけないと事業規模は維持できないはずなので、そのような点についても検討してみましょう!

 

お金の流れを読み解く

 

最後にキャッシュフローについてです。キャッシュフローは営業・投資・財務キャッシュフローからなります。

 

営業キャッシュフローは営業活動により取得したお金のことで、純利益とは少々異なります。

 

投資キャッシュフローは施設の増設などの投資活動で使ったお金であり、財務キャッシュフローは配当の支払いや借金の清算に使ったお金のことです。

 

これらのキャッシュフローを見ることで、具体的なお金の流れを確認することができます。

 

理想としては、稼いだお金つまり営業キャッシュフロー内に投資キャッシュフローと財務キャッシュフローが収まっていることが好ましいです。稼いだお金の範囲内でお金を使うということです。

 

毎年このようにしていくことで現預金が積みあがっていきます。それによって、経営の幅も出てくることからそのような企業を見つけてさらに調べてみれば、長期投資に値する企業なのかどうかの判別を行うことができると言えるでしょう。

 

資本移動&株価を読み解く

 

次に資本移動・株価の欄について資本移動では今までにどのような経緯で資本が移動してきたのかを表したものですが、長期投資においてこの項目で注目すべき個所はあまりないと思います。

 

しいて言えば株式分割をよくやっているのかなどを見るくらいでしょうか。株価については上場した期間内での高値と安値が一定期間分乗せられています。

 

また、最近の株価は1カ月毎に乗せられていますが、会社四季報で改めて確認する必要はあまりないと感じます。会社四季報で目ぼしい企業を見つけた後は、株価について証券会社でチャートを確認すればさらに細かい検討が可能です。

 

その下の項目は、毎回特集で変わります。特許数などの細かい情報が乗せられており、興味深いデータであることが多いようです。ぜひチェックしてみましょう。

 

業績を見てみよう

 

業績についても会社四季報では確認することが可能です。業績では、売上高と営業利益、経常利益、純利益、1株利益と1株はいについて書いてあります。

 

言うまでもありませんがすべて年を追うごとに少しずつ増加していることが望ましいです。売上高が昨年と比較して上昇していることを増収、純利益が昨年と比較して上昇している場合

 

を増益と呼び、増収増益は株価が上がる要因の一つになっています。長期投資においても、増収増益を重ねることで順調に成長している企業に投資することが大切になってきます。

 

なお、営業利益は売上高から原材料等を引いたお金のことで、本業で稼いだお金のことです。経常利益は本業以外の収支もプラスしたお金のことです。

 

純利益は予期せぬ損益、いわゆる特別損益をプラスした値のことで、実際に企業に残るお金です。1株益は、純利益を発行株式数で割った値です。つまり、1株当たりいくら稼いだのかを表す指標です。

 

最後に1株配は、1株当たりの配当額です。この値は人によって好みは分かれると思いますが、私の場合は現状維持か配当額が増加していることを好みます。

 

成長企業の場合はこの配当額が0ということもあります。しかし、その浮いたお金は今後の成長に使われるため、そのほうがよいと考えることもあります。

 

業種別業績展望を読む

 

会社四季報では業種別の業績の展望を確認することができます。業績では、売上高と営業利益、経常利益、純益が表示されています。

 

また、全豪と比較してパーセンテージで表示されています。その他には前年度比もパーセンテージで表示されており、各業種における業績の変化を確認することができます。

 

株価は各企業の業績のみによって決まり、他社は関係ないと思う場合は必要のないものです。

 

ですが、株価はいろいろな要因によって決定するため、この情報も見ておいたほうがいいかもしれません。

 

投資したい企業が、業種の平均と比較してぬきんでていれば今後見直されて株価の上昇が見込めます。その逆もしかりです。

 

また、ほかの業種と比較して業績の回復の早い業種は投資対象とするうまみがあるかもしれません。このように、様々な観点からこの業種別業績展望を読み解くことも大切になってきます。


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