小売業は月次を確認して動向をチェック!
企業業績は基本的に3カ月に1回発表される決算短信で確認することとなります。特に企業対企業(B to B)が主体となる場合、外からはなかなか業績が順調に拡大するのかを確認することはできないものです。
ただそれが小売(飲食)業となると話は変わってきます。小売(飲食)業の場合は企業対消費者であり、場合によっては各店舗で視察のようなものもできます(数店舗だけ見て判断と言うわけにはいきませんが)。
また、小売(飲食)業の場合は毎月成績(月次)を出しているので、こまめに業績が拡大しているのかどうかを確認することが可能であり必須です。
下記はハイデイ日高の月次です。
基本的な構成は、全店または既存店に分けて売上高、客数、客単価が記載されています。その他に店舗数もあり、前期と比較されています。ちなみに売上高=客数×客単価です。
ここで見るべきポイントは下記の通り。
@ 店舗数が増加しているか。
A 売上高は伸びているかまたは減っているか。そして、客数と客単価からその理由を考えることも大切です。
客数が伸びていないのであれば消費者のし好が変わってしまったのかまたはほかの競合に客を奪われたのか、客単価であれば新メニューが不発だったのか、新規メニューの開発能力がないのかといったことが考えられます。
B 全店で増加しているのかに加え、既存店がどの程度健闘しているのかも見ておきましょう。通常既存店は、新規に始まったお店と比較して、業績が縮小傾向となりやすいです。
小売(飲食)業は既存店の業績が落ち込まないようにしつつ、新規に出店して業績を拡大していく必要があるので、上記のポイントはしっかりチェックしましょう。
なお、月次の結果次第では株価の大幅な下落もありますが、1回だめだったからとすぐに売ってしまうというのも考え物です。
例えば自転車を扱う企業などは特に気象状況などに左右されるものなので、そういった点も考慮して総合的な判断をする必要があります。
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