ドミナント戦略とは?そのメリット・デメリットも解説
ドミナント戦略と言う言葉を聞いたことはありますか?
ドミナント戦略とは、特定地域に高密度で出店する方法のことを指します。この戦略は小売業や飲食業などでは定石となっており、有名なところでいえばセブンイレブンやスターバックス、西松屋などがありますね。
例えば、1駅ごとに1-2店舗あったり、歩いて数分の距離に出店されてたりします。もっと極端な例でいえば、隣同士なんてこともありますね(これはいくら何でもやりすぎな気もしますが^^;)。
ここからは具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのかと言うことについて箇条書きにしますので、参考にしてみてください。
ドミナント戦略で得られるメリット
ドミナント戦略のメリットについて。
配送効率の上昇
商品を供給する際に店舗間が離れていればそれだけ配送にも時間やコストがかかりますよね。
一方、店舗が高密度で存在すれば移動距離も長くはなりませんし、配送効率が上昇して時間とコストが節約できるようになります。
経費の削減・質の担保
配送効率と同様の考え方で、出店領域が狭ければそれだけ管理もしやすくなります。
たとえば、品質チェックの担当者を各地域毎に抱えたり、出張させる必要がなくなるので経費の削減にもつながるでしょう。
また、人が足りなくなった場合他の店舗からヘルプとして補充したりすることもできるので、質の確保という面でも有効だといえます。
知名度の向上
高密度で出店すればそれだけ目につく回数も多くなり、知らず知らずのうちに脳内に記憶されることとなります。
そうすることで多くの広告費をかけずとも、知名度をアップさせることができるというメリットが生まれるんですよ。また、地域ごとに絞れば、それだけ広告費を抑えることもできる、といったメリットもあるわけです。
さらに、単純接触効果と言って、何回も接するうちにその企業に対し好感を持つようになるといった心理的な効果も期待されます。
他企業の出店領域を奪う
高密度で良い出店場所を他企業よりも先に確保し、独占することで他企業の出店領域をつぶしてしまうという考えも入ってきます。
そうすることでその地域の需要を総取りできることに加え、他企業にその需要を奪われるリスクが軽減できます。
快適な環境の提供
特定地域での複数出店は店舗当たりの来客数を減少させることとなりますが、そうすることにより訪問客がゆったりと快適にその店舗を利用することができるようになります。
そうすることで顧客満足度が上がり、リピーターを増やす結果にもつながります。
ドミナント戦略のデメリット
上記のようなメリットがある中で、デメリットにはどういったものがあるのでしょうか?
店舗あたり収益が落ちる
ドミナント戦略をとる場合、顧客の食い合いが少なからず発生します。そうなりますと企業当たりの収益力が落ち、効率的に稼ぐという面においてはほかの戦略よりも劣ってしまいます。
なので、フランチャイズ中心の場合この戦略は採りづらくなり、実際に導入してもうまくいかない可能性が高いと言えそうです。
リスクの集中
一点に集中するわけですから、例えばその地域で災害が発生すれば一網打尽になってしまいます。
また、その地域の行動パターンが変わったりした場合(新しい道路や駅ができて人の流れが変わるなど)も売り上げが著しく落ち、全体としても厳しくなるといった可能性もあるんですよ。
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