純資産配当率(DOE)とは?計算式とその考え方
純資産配当率(DOE)と言う指標ですが、最近では配当の目標として使われることもあるので、どういった指標なのか気になるという人も多いのではないでしょうか?
純資産配当率とは、その名の通り純資産に占める配当の比率のことを指します。その計算式は下記の通り。
純資産配当率(DOE)の計算式
純資産配当率(%)=配当÷純資産×100
といいたいところですが、実はちょっと違うんですよね。本当の計算式は下記の通りです。
純資産配当率(%)=配当÷自己資本×100
純資産配当比率と言ってはいますが、分母には自己資本が使われます。ここがややこしい部分ではありますが、間違えないようにしましょう。
※ 自己資本は、会社の総資産から負債を差し引いた金額のこと
またその他に、配当性向×自己資本利益率(ROE)でも計算することが可能です。
純資産配当率(%)=(配当金÷純利益)×(純利益÷自己資本)×100=配当金÷自己資本×100
純資産配当率の意味
純資産とは会社の自己資本(返さなくていいお金)のことで、この指標からは会社のお金のうちどれだけが配当に回っているのかを知ることができます。
配当性向が損益計算書の面から配当を評価する指標なのに対し、純資産配当率は貸借対照表(バランスシート)の面から、どの程度株主還元に回されているのかを評価する指標です。
なお、純資産配当比率は他に株主資本配当率と呼ばれたりもします。
純資産配当率とのつきあい方
純資産配当率が大きければ大きいほど株主還元に積極的と言うことができます。ただし、基本的に配当と言うのは稼いだ分を今後の成長への投資分などと相談しながら決められるものです。
また、数値が高ければいいとも言えません。純資産の内からいくら配当が出ているのかを投資判断の材料とするのは違和感があるとも言えます。
ただ、純資産配当率(DOE)は配当性向と自己資本利益率(ROE)を掛け合わせたものであり、その両面から分析するという点で有効だとも言えそうです。
単純に純資産配当率(DOE)を見るのではなく、どういった構成になっているのかという視点で見ればより有効に使うことができそうですね。
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